病院の受付は、どこまでできる? ― 私たちが考える『フロント』という仕事
2026.09.28

こんにちは!
湘南第一病院 採用広報プロジェクト
チームここはじの葉山なつです🍀
突然ですが、
「病院の受付の仕事」
と聞くと、皆さんはどんな仕事を思い浮かべますか?
保険証を確認する。
診察の受付をする。
患者さんをご案内する。
電話に出る――。
もちろん、どれも大切な仕事です。
でも、湘南第一病院が考えている「受付」は、それだけではありません。
当院では、受付を単なる窓口業務ではなく、
「フロント機能」
として、役割の拡張を目指しています。
約2年前、このブログでも当院の受付課を特集しました。
当時ご紹介したのは、受付を「病院の顔」と捉え、カウンターの中だけに留まらず、患者さんやご家族を見守り、声をかけ、必要な場所へつなぐという考え方です。
あれから約2年。
日々の実践や管理職間での議論を重ねる中で、
「湘南第一病院が目指していた病院のフロントとは、こういうことだったんだ」
と、その輪郭が少しずつはっきりしてきました。
今回は、受付課の現場マネジメントを担う桐ケ谷リーダーと井上リーダーのお二人に、現在の「病院フロント」について聞いてみました。

「感じの良い受付」だけでは、少し足りない
葉山:
以前の記事では「受付は病院の顔」と表現していました。今もその考え方は変わりませんか?
桐ケ谷:
そこは変わっていません。
患者さんが最初に会うのも、帰る時に最後に見るのも受付であることが多いですから、表情や声のかけ方は今でも大切にしています。
でも最近は、
「『感じが良かった』で終わるのではなく、『この病院なら安心できる』と思ってもらいたい」
と考えています。

井上:
特定の人だけができてもダメだと思っています。
気が利く職員がいる日は良い受付になる。でも、その人が休みだとできない。
それでは病院の機能にはなりません。
だから今は、
「誰が対応しても、同じスタンスで患者さんに向き合えるチームにすること」
を大事にしています。

患者さんから声をかけられるまで待つのでは、ちょっと遅い
葉山:
具体的には、どんなことを意識していますか?
桐ケ谷:
私はやっぱり、
「(声がかかるのを)待たないこと」
だと思っています。
待合を見ていると、何度も周りを見ている方や、案内表示の前で立ち止まっている方って結構いらっしゃるんです。
そういう時に、
「何かお困りですか?」
とこちらから行けるかどうか。
患者さんやご家族などが、困っていることを必ず言葉にしてくださるとは限りません。
だから私たちの方から気づく。
最近チーム内では、それを
「困りごとを拾いにいく」
と表現しています。

「○番診察室の前でお待ちください」で、本当に案内は終わり?
葉山:
説明や案内についても、かなり話し合っているそうですね。
桐ケ谷:
そうですね。
例えば、
「○番診察室の前でお待ちください」
と伝えれば、職員側としては案内したことになります。
でも患者さんやご家族などからすると、
「○番ってどこ?」
「そのあとどうすればいいの?」
と、まだ分からないことが残っているかもしれない。
だから最近は、
「次の次まで想像する」
と話しています。
井上:
その先に、もう一つ大事にしているのが、
「出口まで見届ける」
ということです。
説明して終わりではなく、ちゃんと伝わったのか、その先で困っていないかまで見る。
病院で働いていると、どうしても院内のことが「当たり前」になります。
でも患者さんやご家族などにとっては、当たり前ではありません。
だから、
「自分たちが分かるから、相手も分かるだろう」
という感覚は疑うようにしています。
そして、「自分たちの案内が済んだら終わり」ではなく、
「よく気づく人がやってくれる」から、「チームとしてできる」へ
葉山:
今年度は特に「フロント機能の拡張」を大きなテーマにしていますね。
井上:
考え方自体は以前からありました。
ただ、昨年度は「こういう受付にしたい」という話があっても、現場の日常にまで十分に落とし込めていなかったという反省があります。
だから今年は、
「良いことを言って終わらせない」
ことを意識しています。

例えば「待合を見る」と決めたなら、
いつ見るのか。
何を見るのか。
気づいたことをどう共有するのか。
そこまでを形にしていく。
自然に動ける人の姿を見て、
「あの人だからできる」
で終わらせず、
個人の良い行動を、チームの当たり前に変えていく。
そこが今の大きなテーマです。
受付を、「案内する場所」から「相談できる場所」へ
葉山:
今後、フロント機能をどのように広げたいと考えていますか?
井上:
一つ大きなテーマになっているのが、
「案内機能から相談機能へ」
ということです。
受付が何でも解決するという意味ではありません。
でも患者さんやご家族などからすると、
「誰に聞けばいいのか分からない」
ということは結構あると思うんです。
そういう時に、
「それはうちでは分かりません」
で終わらせない。
誰につなげればいいのか。
このあと何をすればいいのか。
そこまでを一緒に考える。
受付が最初の相談窓口となって拾いあげた患者さんたちの声を、適切な部署や職種へ大切につなぐこと。
カウンターの向こう側まで知っておく
桐ケ谷:
そのためには、フロント機能を担うスタッフ自身も、もっと病院のことを知らないといけないと思っています。
例えば予約診療でも、受付で何をするかだけではなく、
そのあと患者さんがどこへ行って、
他部署がどう動くのか。
そこまで知っていれば、説明の仕方も変わります。
予防接種や面会、予約診療など、部署を跨ぐルールや仕組みの調整をしていると、
「受付ではやりやすいけれど、別の部署では困る」
ということもあります。
だから、
病院全体の流れの中で、患者さんがどう動くのかを見る。
これからの受付には、もっと必要になると思っています。
正解が決まっていないから、みんなで考える
葉山:
お二人の話を聞いていると、マニュアルだけではできない仕事ですね。
桐ケ谷:
そうですね。
人を相手にする仕事なので、
「この言葉を言えば100点」
というものではないと思います。
だから、
「あの対応はどうだった?」
「次はどうしよう?」
といったことをその場その場で振り返ることを大切にしています。
井上:
そうした日々の気づきや振り返りを、個人の感覚だけで終わらせることなく、チームの共通した認識や行動につなげていきたいんです。
今年度は統括部全体で、これまで以上に「マンダラート」を活用しています。
中心に置いているのは、
「いつでも変わらないスタンスのSDHの“顔”となる」
という言葉です。
その周りには、
「困りごとを拾いにいく」
「自分都合を疑う」
「チームで支える」
「先回りして備える」
など、8つのテーマがあります。
ただ、言葉を掲げるだけでは意味がない。
だから、
「じゃあ、今日の仕事では何を意識して取り組む?」
というところまで考えるようにしています。

未経験だからこそ、気づけることもある
葉山:
最後に、採用についても聞かせてください。
桐ケ谷:
医療経験があることは、もちろん強みです。
でも当院では必須だとは考えていません。
むしろ病院に慣れていないからこそ、
「これ、患者さんには分かりづらくないですか?」
と気づけることもあります。
私たちが当たり前だと思っていることを、当たり前だと思わない。
それは大事な視点です。
井上:
知識は後から覚えられます。
それよりも、
困っている人がいたら気になる。
分からないことをそのままにしない。
「もっと良くできないかな」と考える。
周りと一緒に動ける。
そういう人と一緒に仕事がしたいですね。
受付業務を覚えるというより、
「病院の入口を、もっと良くする側に回る」
「病院のフロント機能を通じて、もっとたくさんの方の支えになる」
という感覚に近いと思います。

受付から、病院をもっとやさしく。
お二人のお話を聞いていて、改めて感じたことがあります。
約2年前にご紹介した
「受付は病院の顔」
という言葉。
今回のお話を通して、その意味が少し深く見えてきました。
「顔」とは、単に最初に笑顔で迎える人ではなく、
その病院がどんな姿勢でユーザーと向き合うのかを、一番身近な場所で表す存在なのかもしれません。
まだ完成形ではないからこそ、
「もっとできることはないかな?」と考えながら、少しずつ変えていく。
そんな仕事に興味のある方には、ちょっと面白い職場かもしれません😊

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