湘南第一病院人として
医学生の頃、先輩方から頂いたアドバイス(?)のひとつに、「小児科に進むと患者さんとそのご両親の両者を診なければならないから大変だぞ!」という言葉がありました。
当時は小児循環器にも興味があった私ですが、その言葉に怖気づき(笑)、今に至っているといってもいいかもしれません。
冗談はさておき、循環器医としてキャリアを積む中では、一緒に治療・予防を進めていく上で患者様ご本人との一対一の関係性が強かったのですが、この湘南第一病院で目指す医療は、患者様ご本人・ご家族様・介護に携わっている施設や介護士の方達など、ある意味で小児循環器以上に登場人物が増えます。
高齢者医療に足を踏み入れた今、患者様を取り巻く人や環境の重要性を改めて感じています。
特に、これまではあまり積極的に関わることのなかった、施設や介護士の方々の想いを汲み取っていく為には、私自身に理解を深めようとする姿勢が不可欠です。
患者様が元気に退院できることがもちろん第一目標ですが、ご家族や介護を実際にされている方々がいかにストレスなく生活を送れるか?また私自身がその患者様個人のチームに如何に入り込んでいけるか?
目標を掲げ出したらキリがありませんが、とにかくこれまで以上に多くの方々との関わり合いを大切にしながら仕事をしていきたいと思っています。
個人のビジョン
私はチベット仏教圏に旅行するのが好きです。中でも、ブータンは特に不思議と心が落ち着くので、前世はブータン人では?と勝手に思っています(笑)。
ブータンに行った際に個人宅に泊まらせていただいたのですが・・・。
食事は、お客様→おじい様→ご両親の順に。また、お子様にボールペンを差し上げた際には、夕方に畑からご両親が帰ってくるまで使わずに大事に握りしめ、帰ってきた時にもらったことをまずは報告する光景など、古き良き時代の日本の家族像を見た気がしました。
今の日本ではなかなかそのような光景は目にすることもありませんが、湘南第一病院に入院されている方々は、そうした古き良き時代を生きて来られた方です。
今の時代では難しいとされる家族像、人間同士の『和』を尊重した生き方を学んでいきたいと思っています。