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はじめての学会発表!理学療法士2年目の“気づき”と“成長”

こんにちは!

チームここはじの葉山なつです🍀

 

街中はクリスマスの雰囲気が広がり、今年も残りわずかとなってきましたね。

あと1か月、やり残しのないように、気持ちよく一年を締めくくれたらと思います🎄✨

 

さて、本日はリハビリテーション課の取り組みをご紹介します。

 

現在リハビリテーション課では、キャリア形成とリハビリテーションクオリティ向上を目的として、学会発表に取り組んでいます。

昨年度に引き続き、今年度も理学療法士が症例を通して当院の取り組みを発表してきました。

昨年度の様子と、学会発表を始めた経緯や目的を知りたい方はこちらをどうぞ↓

学会発表から見るリハビリテーション課の変化と歴史

 

今回は、今年度の学会発表の様子から、リハビリテーション課の「やりたいことにチャレンジできる文化」と「挑戦を支える支援体制」について、スタッフのリアルな声を通してお伝えしていきたいと思います。

では、早速取材スタートです!


まずは、学会発表の様子から。

後期高齢誤嚥性肺炎患者へのアプローチ

 

今年度は、当院に新卒で入職し2年目となる理学療法士(以下:PT)が挑戦!

昨年同様、「日本摂食嚥下リハビリテーション学会」にてポスター発表を行いました。演題は『後期高齢誤嚥性肺炎患者へのアプローチ~傾眠傾向に対し多職種で離床・シーティングを行った症例~』です。

今年度は、横浜開催!!

 

ここからは、実際に発表を行ったスタッフにインタビュー🎤。

 

葉山:

学会と聞くと、どうしても難しいイメージがありますよね。

そんな中で、入職2年目にして学会発表にチャレンジしようと思った“きっかけ”を教えてください。

 

理学療法士:

きっかけは、とてもシンプルでした。

当院には要介護高齢者の方が多く入院されており、誤嚥性肺炎や摂食嚥下機能障害を抱えている方も少なくありません。

しかし正直、PTの養成校時代には、摂食嚥下という分野は多く学ばず、その状態で臨床に出てきています。

そのため、日々の業務の中で学び続けてはいるものの、「自分は本当に理解できているのだろうか」という不安がありました。

学会という場に身を置くことで、もっと深く学べるのではないか、そして自分から発信できることを増やしたい—そんな思いが挑戦のきっかけでした。

 

葉山:

実際に、9月に行われた学会ではポスター発表を行い、様々な職種の方から意見や質問をいただいたと聞きました。

チャレンジしてみて感じたことを教えてください。

傾眠傾向に対し多職種で離床・シーティングを行った症例

 

理学療法士:

大きく「意識の変化」と「行動の変化」という2つの点でお話したいと思います。

・意識の変化

学会発表に向けて準備を進める中で、これまで以上に学びを深める機会が増え、視野が広がったことを強く実感しました。

特に、高齢の患者さんは摂食嚥下機能が低下しやすいという前提を、より意識して関わることができるようになりました。

学びを持った状態で臨床に向き合うことで、治療の幅が広がり、対応の引き出しも増えたように感じています。

・行動の変化

まず、リハビリテーション課内で「この摂食嚥下の患者さん、どう思う?」と相談される機会が増えました。

さらに、病棟の看護師や介護士など、多職種からの声掛けも増え、チーム全体の中で役割が広がったことを実感しています。

 

振り返ると、当院には言語聴覚士(以下:ST)が在籍していないこともあり、これまで摂食嚥下領域はリハビリテーション課として十分に関わりきれていない部分がありました。

その中で、今回の学会発表が、PTとして摂食嚥下領域に参入していく“きっかけ”になれたと感じており、まずはそのことを素直にうれしく思っています。

 

葉山:

確かに!摂食嚥下の分野と言えば、まずSTさんが出てきますよね。

今回の学会を通して、その分野の中で、PTとして参入していくきっかけが見えてきたというわけですね。

具体的に、PTとしてどんなかかわり方が出来るのか教えてもらえますか?

 

 

理学療法士:

僕は、今回『姿勢』をテーマにした他職種連携についてお話させてもらいました。

簡単に言うと、食べる姿勢によっても食べやすさや食べる意欲が変わるということをお伝えしました。

栄養と摂食嚥下の分野と言えば、NST(栄養サポートチーム)での活動が主流です。

今まで、NSTの中でも、姿勢やポジショニング・シーティングと摂食嚥下の関係性は示唆されていたのですが、今回の発表を通し、姿勢について改めて多職種で共有する必要性を感じました。

特に「PTさんも摂食嚥下の分野で発表する時代になったんだね」と他職種から評価をもらえたことで、PTとして摂食嚥下にどのように関わることが出来るのかを示せ、摂食嚥下チーム内での立ち位置が見えたと思いました。

 

葉山:

なるほど💡

学会発表をしたことで、摂食嚥下チームの中での存在意義を、外部の声を通して実感できたということですね。

ちなみに、発表までの道のりは長いものがあったのではと想像していますが、不安だったことや難しかったことがあれば教えてください。

 

理学療法士:

準備をスタートさせたのは昨年の12月でした。

確かに道のりは長いものでしたが、早い段階から準備を進めることが出来たので、今振り返っても不安は少なかったように感じます。

特に、当院に大学講師で非常勤勤務されている山口先生や昨年度発表した先輩を中心に、スタート直後から相談に乗ってもらったり、フォローしてもらったりしました。

今回の発表はPTの先行研究が少なかったので、資料集めが大変だったり、資料を吟味したりする難しさはありましたが、壁にぶつかった時には、その都度『背中を押してもらえた』と感じています。

また、学会発表自体に不安は少なかったのですが、先行研究が少ない分、摂食嚥下の分野でPTが参入できるものなのかという不安はありました。そんな中でも、高齢者が増えた今、PTとしても必要なことであると“知識”の面でも“気持ち”の面でもずっとエールを送ってくれる環境に身を置けていた思います。

職場の空気感として、一緒に悩んで解決しようとしてくれ、相談しやすい環境であったことが、最後まで走りきれた一因だと感じています。本当にありがたかったです。

 

葉山:

初めてのチャレンジでも、サポートできる体制と、それを支える風土がチャレンジしやすい環境を作っているのだと感じますね。そして、発表までに、心強い準備期間があったことがとても伝わりました。

では、最後に今後の課題と目標を教えてください。

 

理学療法士:

個人としては、さらに学びを深めて、病院内だけに留まらず地域へも発信できる人材になりたいと思っています。

しかし、その前に自部署の知識の底上げと、日々患者さんに接する看護師や看護補助との情報共有を増やしていきたいと思っています。多職種連携とは言いつつ、まだまだ一緒に取り組んでいると言えるほど時間が作れていないのが現状です。まずは、院内多職種で協働し、一緒に食べられた喜びを分かち合えるような職場風土づくりを行い、それを院外に持ち出せたらと思います。

 

葉山:

インタビューありがとうございました。


以上、リハビリテーション課から今年度の学会発表についてお届けしました。

 

今回の取材を通して印象的だったのは、PTさんが終始とても楽しそうにお話してくださったこと。

本文では紹介しきれませんでしたが、学会参加を通じて“衝撃を受けたこと”も多かったそうです。

 

摂食嚥下の分野ということもあり、約100名の発表者の中でPTの発表はわずか5名ほど。

その少なさに驚いたと同時に、「この領域でPTが果たせる役割はまだまだ広がる」と感じたと話してくれました👀‼

 

また、医療技術の進歩にも大きな刺激を受けたとのこと。

嚥下筋群への電気治療がスタンダードになりつつあるなど、医療の基準は日々アップデートされていきます。

その変化の中で、PTが担う役割も着実に広がっていく。

そんな実感を得られた学会だったようです。

 

今回の取材を通し、学び続けるPTさんの姿勢から、私自身も強い刺激を受けました。

来年度も発表を見据えているスタッフがいると、少しずつリハビリテーション課からの情報も入ってきています🎤

同年代のスタッフが多いチームだからこそ、互いに切磋琢磨できる空気があり、さらにそれを支えるチームづくりがあるからこそ、挑戦できる環境が育つのだと改めて感じました。

MCとして関わる私自身にとっても、「学び続ける大切さ」を再確認する貴重な機会となりました。

リハビリテーション課の今後の活動と活躍をお見逃しなく☝

 

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