急性期リハビリはなぜ「忙しくて大変」なのか?高齢者リハを支える“環境設計”とは
2026.05.20

こんにちは!湘南第一病院 採用広報プロジェクト「チームここはじ」の葉山なつです🍀
新年度が始まったと思ったら、あっという間にGWが終わってしまいましたね。
今年は夏に向けてトマトの栽培を始めました。
甘い実が出来たら、どんな食べ方をしようか今から楽しみです🍅
さて、理学療法士の皆さんは、
「急性期は忙しそう」
「患者さんとちゃんと向き合えるのかな」
「自分にはついていけないかもしれない」
そんな不安から、急性期病院を選択肢から外したことはありませんか?
実際、急性期リハビリテーションは簡単ではありません。
ただ、“忙しい”にも理由があり、その大変さは環境設計によって大きく変わると、私たちは考えています。
今回は、
・なぜ急性期リハビリテーションは「忙しくて大変」と感じやすいのか?
・高齢者中心の急性期病院では、どのような環境設計が必要なのか?
という視点から、当院のリハビリテーション課の取り組みについてご紹介していきます。
この記事では次のことがわかります。
・急性期病院の理学療法士が「忙しい」と言われる理由
・高齢者中心の急性期リハビリテーションの特徴
・湘南第一病院のリハビリテーション課の環境設計
・多職種連携を前提にした働き方
・“一人で抱え込まない”ためのチーム体制
今回は、リハビリテーション課の結城リーダーと、新卒から入職した2年目の理学療法士・佐藤さんに取材してまいりました🌟
さっそくご紹介していきます。
高齢者リハビリテーションを実践してきたからこそ見えた“環境”の大切さ
さて、前回までの記事では、
・急性期未経験でも働けるのか?
・高齢者リハビリテーションは本当に“面白くない”のか?
・超高齢社会で変化する理学療法士の役割
という視点から、当院のリハビリテーションの特徴についてお伝えしてきました。
▼これまでのシリーズ記事はこちら
→【急性期未経験でも大丈夫?リーダーと若手PTが答えます】
→【高齢者のリハビリは“結果が出ないから面白くない”?違和感の正体とは】
→【理学療法士の将来性は?超高齢社会で変化するリハビリテーションの価値】
これまでの記事でもお伝えしてきたように、急性期の高齢者リハビリテーションでは、
「機能訓練を行う」だけではなく、
・患者さんの生活背景を理解すること
・多職種で情報を共有すること
・退院後の生活まで見据えること
など、多面的な視点が求められるようになっています。
当院では、こうした高齢者リハビリテーションを実践していくには、従来と同じ働き方や環境のままでは難しいと考えてきました。
今回は、“働く環境”という視点から、急性期病院で高齢者リハビリテーションを実践するために必要な「環境設計」のリアルについてお話していきます。
急性期リハビリテーションが「忙しくて大変」と言われる理由
では実際に、現場のスタッフは急性期の高齢者リハビリテーションをどのように感じているのでしょうか。
当院に新卒で入職し、現在2年目の理学療法士である佐藤さんに話を聞きました。
急性期という“流れの速さ”

佐藤:
正直、時間の流れは早いです。最初は、ついていくだけで精一杯でした。
入退院は毎日多く、患者さんは日々入れ替わっていきます。
また、急性期管理をしながらスタートするリハビリテーションに加え、高齢者リハビリテーションでは生活設計や多職種連携も必要になります。
退院までの限られた時間の中で、やることがたくさんあるという感覚は、入職して2年経った今でもあります。
「一人で抱えている感覚」がなかった
佐藤:
ただ、当院ではケアユニットチームがあったり、部署を越えて他職種が相談に乗ってくれたりするので、“患者さんを一人で抱えている”という感覚がありません。
また、医師との距離も近く、病棟で気軽に話が出来る環境も大きいと思っています。
総合病院など病床数の多い病院では、医師とのコミュニケーションを一つのハードルに感じる人もいると思うので、その点は恵まれた環境だと感じています。
「しんどい」を否定されなかった
佐藤:
対象が要介護高齢者ということもあり、良くならないケースや、病状が右肩下がりに変化していく場面も経験してきました。
高齢者医療の現実を目の当たりにして、「自分は当院では頑張れないかもしれない」と思ったこともあります。
ただ、その気持ちを否定するのではなく、話を聞いてくれる環境がありました。
助言をもらいながら続けていく中で、自分自身の捉え方も変わり、しんどかった時期を乗り越えることが出来たと思っています。
高齢者リハビリテーションを実現するための“環境設計”
佐藤さんが話してくれたように、急性期のリハビリテーションは、やはり忙しさを感じやすい環境です。
ただ、その忙しさは単純な業務量だけではありません。
・患者さんの状態変化
・退院までのスピード感
・高齢者特有の生活背景
・多職種との連携
・情報共有
など、複数の要素が重なって生まれています。
では、その忙しさに対して、現場ではどのような工夫や環境設計が行われているのでしょうか。
ここからは、リハビリテーション課の結城リーダーに話を聞きました。
高齢者急性期リハビリテーションは“情報量”が多い

結城:
急性期病院におけるリハビリテーションは、入退院の多さやスピード感に加え、状態変化に合わせた対応や患者背景の情報収集など、短い入院期間の中でやらなければいけないことがたくさんあります。
さらに当院では、患者さんの多くが要介護高齢者です。
そのため、患者さん本人だけでなく、ご家族や施設職員など、多くの関係者を巻き込んだ情報収集や情報提供が必要になります。
情報量が多いということは、それだけ考えなければいけないことも増えるということです。
そのため、一人に任せる形では、時間的にも精神的にも負荷が大きくなり、継続が難しくなると考えました。
「チームで答えを出す」ことから始めた
結城:
そこで当院では、まず“チームで答えを出す”ことから取り組みました。
現在は、リハビリテーション課内に「ケアユニット」があり、コミュニケーションや生活支援に特化した介護職と理学療法士がチームを組んでいます。
患者さんの情報を共有する時間をあえて作り、チーム全体で患者さんを考える習慣をつくってきました。
こうした時間を繰り返してきたことで、今では自然と会話が生まれる環境になっていると感じています。
“情報を動かす役割”を置く
結城:
また、コミュニケーションに特化した介護職を配置したことで、多職種との接点が増え、患者さんの情報量も増加しました。
あえて“情報を動かす役割”を置くことで、理学療法士は機能訓練や生活設計に集中しやすくなっています。
「抱え込まない構造」をつくる
最後に、急性期のリハビリテーションは忙しくて大変です。
それは、どの病院でも大きくは変わらないと思います。
ただ、湘南第一病院では、
・チームで患者さんを考える仕組み
・判断を支える情報共有
・部署を越えて相談しやすい関係性
・“一人で抱え込まない”ための役割設計
によって、大変さが蓄積しにくい状態をつくろうとしてきました。
もちろん、まだ発展途上の部分もあります。
しかし、高齢者リハビリテーションを実践していくためには、理学療法士一人ひとりの頑張りだけではなく、「続けられる環境」が必要だと私たちは考えています。
急性期で成長したい。でも、不安もある。
そんな方にとって、この記事が職場選びの判断材料になれば幸いです。

以上、リハビリテーション課の結城リーダー、佐藤さんに聞いた、「急性期の高齢者リハビリテーションを支える環境設計」についてのインタビューでした。
本記事では“働く環境”にフォーカスしてご紹介しましたが、今までの取材も含め、リハビリテーション課が高齢者リハビリテーションに向き合い、社会から求められる役割の変化に対応してきたからこそ、今の形があるのだと感じました。
当院が目指しているのは、「湘南で一番、高齢者にやさしい病院」です。
その実現のために必要なリハビリテーションの形や働き方は、時代とともに変化していくものだと思います。
だからこそ湘南第一病院では、高齢者リハビリテーションに本気で向き合える環境を、これからも模索し続けていきたいと考えています。
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