ここから始まるSDH | 湘南第一病院・神奈川県藤沢市湘南台

統括部「コンプライアンス統括プロジェクト」の取り組み紹介 ― 安易に自分たち都合に流されない組織風土づくり ―

 

こんにちは!チームここはじの平塚陸です💨

 

クリスマスを過ぎた後の、世の中全体が一気に年末モードに切り替わる感じが個人的にはすごく好きです!

今年も残すところあとわずか、やり残すことなく走り切ります!

 

 

さて、今回は、統括部の2025年度計画に基づく取り組みの一つ、「コンプライアンス統括プロジェクト」について、その取り組み内容とこれまでの歩みをご紹介します。

 

統括部の今年度の方針については、以下の記事でもご紹介していますのでぜひご参照ください。

・2025年度計画の概要

👉【2025年度】統括部 部会の開催~振り返りと年度計画~

・プロジェクト形式での進行とした経緯

👉チョット違うぞ!”部全体で挑む”統括部の2025年度計画

・上半期の成果報告

👉病院の未来を創る。統括部の部会を紹介!

 

今回は、当該プロジェクトリーダーである管理課の中山係長よりお話を伺ってきましたので、インタビュー形式でご紹介します🎤

 

────────────────────────────────────────

【当該プロジェクト活動の発足背景と目的】

平塚:

統括部では、「地域から愛され続ける病院づくりを統括する」という年度方針のもと、プロジェクト形式で様々な取り組みを推進していることは以前からお伺いしています。

改めて、「コンプライアンス統括プロジェクト」が発足した背景について、詳しく教えてください。

 

中山:

さすが、ちゃんと過去の取材内容をおさらいしてきてくれているね!

このプロジェクトは、統括部の視点で整理した「地域から愛され続ける病院」の前提条件の一つとして、「社会的・人間的に信頼・信用できる組織体」の姿を見据えて発足されました。

 

当院では昨年、病院や医療の仕組みについて改めて勉強しようという動きが加速した背景がありますが、見渡せばまだまだ制度のことや世の中のことについて知らないことばかり…

特に、私もそうですが医療業界未経験の方がたくさん活躍しているのが当院の良いところでもありますが、「未経験だから許される」なんてことは当然ですがあり得ないわけです。

 

また、医療の現場では、長年の慣習や暗黙の了解に頼りがちな傾向があると思っています。

今ではたくさんの情報がインターネットなどからも得られる中で、患者さんやご家族、地域の方々など、ご自身でもいろいろと調べてから来られる方も多くいらっしゃいますが、医療機関側もしっかりと世の中を勉強しておかないと、「ズレ」が少なからず生じてしまいます。

 

医療従事者として「当然に知っておくべきこと」の範囲をより広げていこう、そんなところから、このプロジェクト活動は始まりました。

 

平塚:

最近は至るところで「コンプライアンス」という言葉を耳にしますが、これを「統括する」って聞くとめちゃくちゃハードルが高そうに聞こえるんですが💦

どんなことを目的としているんですか?

 

中山:

実は、私も当初めちゃくちゃハードルを感じました(笑)

部長とも目線合わせを重ねてきましたが、簡単に表現すると、「考える文化」を組織に植え付けていくことだと、今では理解しています。

 

平塚:

おっと、これはスタートから深そうなお話で…もう少し詳しく聞かせてください!

 

中山:

コンプライアンスって聞くと、法令や社会のルールを正しく守ること、といったイメージが強くないですか?

この「正しさ」って、実はすごく曖昧なものだと思うんです。

もちろん、ルールはルールなんですが、人それぞれの解釈の仕方によって、都合の良い方向に扱われてしまうような場面も少なくないんじゃないかな…と。

なので、勉強して知識を身に付けるだけだと十分ではなくて、大切なのは知識の「使い方」を学ぶこと。

「正しい人」ではなくて、「“正しさとは何か”を常に考え続けられる人」が育つ組織風土をつくっていきたい、そんな風に思って取り組んでいます。

言い換えると、安易に自分都合に流されることなく、健全に「善」と「悪」を認識できる組織づくり、とも言えます。

 

平塚:

なるほど、目指している方向性が何となく分かってきた気がします!

 

【当該プロジェクトのこれまでの歩み】

平塚:

今年度もそろそろ終盤に差し掛かりますが、これまでの歩みについて聞かせてください。

 

中山:

お伝えした通り私自身もハードルを感じながらのスタートでしたので、最初は本当に手探りの状態でした💦

プロジェクトメンバーも、管理課の他、医事課や受付課に所属するスタッフもそれぞれ参画しているので、皆それぞれ考え方や背景も違う。

 

そこで、まずは目的の擦り合わせをした上で、医療機関を取り巻く関連法規を洗い出すことから始めました。

医療法や医師法といった医療提供に直接的に関与するものから、健康保険法、介護保険法、個人情報保護法、労働基準法、その他施設管理に関する法令など…

幅広く病院の運営や経営に関連する法制度について、メンバーが各自で調べて、プロジェクトに持ち寄り共有する、といった進行です。

 

初期の段階で多くのメンバーが実感したのは、「知らないことの多さ」でした。

実務と直結することは知っていても、なぜこの法律が作られたのか、どんな社会課題を背景にしているのか、現場のどんな判断に結びつくのか、そうしたことまで深く理解できていなかったことに気付かされました。

この過程を通して、コンプライアンスが「守るべき決まり」ではなく、自分たちの日常のスタンスを点検するための「視点」として生かされるべきもの、といった理解が深まっていったように思います。

 

平塚:

先ほど挙げていただいただけでも、膨大な量の法制度が関わっていることは何となく想像ができました。

どのような視点で調べを進めていったのですか?

 

中山:

闇雲に調べてもキリがないと感じたので、途中から、主に以下の4つに視点を揃えて整理を進めていく形に軌道修正しました。

・制度創設背景

・制度の概要と大枠

・(医療従事者として読み取るべき)重要なメッセージ

・医療現場の日常との結びつき

 

こうした視点に統一することで、単に知識学習をするのではなく、「どう読み解くのか」という議論を継続的に行うことができました。

 

平塚:

まさに、「考える文化」をまずはプロジェクト内から実践していったんですね!

 

中山:

さすが、察しがいいねえ~(笑)

 

平塚:

そこから、どのように展開していったのですか?

 

中山:

ミーティングを重ねる中で、各法制度が存在する意義についての言語化が少しずつ進んでいきました。

 

例えば、医療法は、病院という社会インフラの「設計図」として存在するものであって、医療の質や安全、患者の権利や尊厳を守ることは医療従事者の義務であるということ。

健康保険法は、国民皆保険のもとに、誰しもがいつでも平等かつ安全に必要な医療を受けられる世の中の仕組みを支えるために存在していること。

個人情報保護法は、個人の尊厳を守るためだけではなく、世の中を豊かにするために大切な情報が適切に活用されるための「ルールブック」として存在していること。

 

こうした整理によって、各法令が点ではなく線としてつながり、病院運営全体の構造が少しずつ立体的に見えるようになっていきました。

 

【プロジェクト活動と日常との繋がり】

平塚:

プロジェクトを推進することによって、何か日常で実感できる変化などはありましたか?

 

中山:

鋭い質問だね💦

正直にお答えすると、今はまだ「インプット」に偏っていて、「アウトプット」に転じるにはもう少し工夫が必要だと感じています。

 

ただ、今まで何となく作業として行っていた日常の一場面一場面で、その重みや必要性に対する意識はそれぞれに高まっている実感はあります。

例えば、薬機法に基づくAEDの日常点検など、先輩からの教えで「毎日点検しなければいけない」ということは理解していても、それが何の制度に基づいて行っていることなのか知らないままに点検を行っていたことを振り返る場面などもありました。

 

「何となく」ではなく、「なぜそれが必要なのか」に興味を持てるようになったことは、一つの学びの成果だと感じています。

 

【当該プロジェクトの現在地と今後の展望】

平塚:

今現在は、プロジェクトでどのような取り組みを進めているのですか?

 

中山:

上半期は、まずはプロジェクト内で学びを深める期間に充ててきましたが、現在は「学びの輪を広げるフェーズ」を強く意識して、準備を進めています。

 

「いい勉強になって良かった」と自己満足で終えてしまうのでは意味がないので、これから先は一緒に学んでいく関係人口をふやしていきたいと考えています。

プロジェクト内から部内へ、部内から部門内へ、といったイメージです。

 

平塚:

まさに「プロジェクト」といった感じですね!

具体的にはどんなふうに進めていく予定なのですか?

 

中山:

入口としては、これまで継続的に実施してきたプロジェクトミーティングの場に、自由参加でオブザーバーをお招きしていくイメージで、年明けから進行していきます。

 

まずは、プロジェクト内でこれまで整理してきた医療関連法規について、知識と考察をシェアすることから始め、その後は一緒に調べながら学びを深め合っていきたいと考えています。

私を含め、まだまだプロジェクト内の学びも十分に深まっていないので、「先生と生徒」ではなく、研究生を増やしていくイメージですね。

 

平塚:

医療関連法規以外にも、テーマを広げていく予定はあるのですか?

 

中山:

上半期はあまり時間を割けなかったのですが、「ハラスメント」も今年度の重要テーマの一つに据えているんです。

外部研修なども活用しながら学びを深めていますが、「ハラスメント」というワードも、根本的な考え方を整えておかないと、一方的に自分都合や偏った価値観を押し付ける「凶器」になりかねないものだと今では理解しています。

これについては、調べるというよりは、身近な事例を集めてディスカッション主体で進行していこうと考えています。

 

平塚:

確かに、ネットニュースなどを見ていても、何でもかんでも安易に「ハラスメント」という言葉で片づけてしまいがちな印象を覚えることがありますね。

これはまた、深い学びになりそうですね!!

 

中山:

そうそう!

最近では、世の中全体としても、企業の義務としてカスタマーハラスメント対策が順次進められています。

医療機関だと、「ペイハラ」(ペイシェントハラスメント)なんていう言葉も使われるようになりました。

組織が従業員を守ることはもちろん大切なことですが、ハラスメントという言葉を盾にして、患者さんやご関係者からの大切なご意見やご指摘にも耳を貸さなくなってしまうことは本末転倒ですよね。

こうした線引きもしっかりと学んで、組織内にも正しい認識を浸透させていきたいと考えています。

平塚:

いや~、これは様々な考え方や意見が交錯して、ディスカッションが盛り上がりそうですね!

今後のプロジェクトの発展が、個人的にもすごく楽しみになりました。

またぜひ、その後のお話も聞かせてください💨

 

中山:

もちろん!

良いご報告が出来るように、引き続き楽しみながら頑張っていきます♪

 

────────────────────────────────────────

 

以上、統括部の「コンプライアンス統括プロジェクト」についてのご紹介でした。

 

取材を通して強く感じたのは、このプロジェクトが「声高に正しさを主張する場」ではない、ということでした。

 

取材の中で、「考える文化」のお話のくだりでは、「『コンプラ警察』のようになってはいけない」という目線合わせを繰り返し行いながら進行している、ということも聞きました。

 

誰かの言動を裁くためではなく、また失敗を責めるためでもなく、明日の認識や判断を少しでも良くするために自らを問い続けること。

その積み重ねが、組織の空気を着実に変えていくことに繋がるのではと感じました!

 

華やかな取り組みというよりは、どちらかと言えば少し地味(すみません!)で成果の見えづらい取り組みなのかもしれませんが、こうした時間を大切にできる職場である、ということが、もしかするとすごく重要なことなのかもしれません。

 

この文章を読んでいただいた方が、「なんだか、ちゃんと考えている職場だな」と感じてくださったなら、それ自体が、このプロジェクトの成果なのかもしれませんね✨

 

来年も、コンプライアンス統括プロジェクト、そして統括部の活躍を要チェックや!!

 

────────────────────────────────────────

 

もっと深く統括部のことを知りたい方は、以下よりぜひ過去の記事をご覧ください。

【統括部の記事はこちら】

 

中山担当係長をはじめ、統括部管理職の皆さんについてのご紹介はこちら!

統括部の管理職ってどんな人?前編

統括部の管理職ってどんな人?後編

 

 

※統括部では、現在以下の職種の募集を行っています。

医療事務(受付)の募集要項はこちら

 

以下は、定期的に行っている採用説明会のご案内です。

ぜひお気軽に足を運んでください。

【採用最新情報】

【来院見学や面接のご応募はコチラ】

アーカイブ