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健診課特集~役員対談『超高齢社会における健康診断と健康管理の重要性について』~

こんにちは!チームここはじの葉山なつです🍀

台風が近づいていますが、みなさん防災対策は万全ですか?

私は半年に1度は息子たちが嫌がろうとも、避難場所をしつこく確認(笑)

最近は減災という考え方も出てきているようですね!大事な備えです☝

 

さて当院では、定期的に採用説明会を開催し、求職者の方に当院や組織のことを知っていただき、働きたいと思える職場かどうか、ご判断していただいています。

 

その中でも、当院のオリジナルカラーの濃い「地域連携部」

独自の考え方はもちろんですが、どのような職場でどのようなスタッフが働いているのか?

特に未経験者の方にとっては、病院という未知の業界で働くことを選択をする上で、重要な情報だと考えています。

しかし採用説明会の短い時間ではお伝えしきれないので、特集してほしいと「健診課」から声をかけていただきました。

 

ということで、葉山なつ🍀特集記事に初挑戦♪少しの失敗はご愛嬌ということで、温かく見守ってください。

 

今回は健診課特集第二弾として、ここはじ企画にて「役員対談」を実現して参りましたー🎤

タイトルは『超高齢社会における健康診断と健康管理の重要性について』

地域連携部の担当役員である辰巳経営顧問と、診療部の責任者である長嶋副院長のお二人が対談!

健康診断の在り方の変化や組織論を、事業経営や医療など、多角的な視点で語っていただきました!


辰巳:

初めに、今回の対談が実現した背景ですが、この「健康診断」。

在り方そのものが、時代と共に今と昔で変化しています。

まずは「事業経営」という視点から、この変化について色々お話できればと思います。

 

始めに、歴史からお話すると…

戦後に遡るんですが1947年。「労働基準法」が制定されました。

そこから高度経済成長を主眼に、1972年には「労働安全衛生法」が「労働基準法」から分離されます。

 

この背景にあるのが、今では考えられないんですが、最初に入った勤めた会社を定年まで勤め上げる「終身雇用」。

会社は定年まで勤め上げてくれる従業員に対して、住宅に手当を払い、家族が増えたら、家族にお祝いごとがあったら手当を払うっていう。

会社が従業員に対して、すごく手厚く守ってるんです。

それに伴って従業員は長い時間働くことを、美徳としていた時代でした。

ただ長時間働くことで健康を害する従業員が出てきて、長く働かせてる会社にも責任があると。

そこで会社に「労働安全」を維持していくことが義務付けられました。

その流れで「健康診断」というのが義務付けられたと、こんな背景があります。

 

ときを経て、2015年に「ストレスチェック」というものが生まれました。

これは、働き過ぎやうつ病など、職場におけるストレスを確認して、従業員の働く環境を整えなさいというルールですね。

さらに2019年には「過重労働防止計画」というルールが入ってくるようになりました。

長嶋:

これらは世の中の動きに会社がマズイと動いたのか、労働者が自ら変わってきたのかでいうと、どちらなんでしょう?

 

辰巳:

確定的な答えはないですが、個人的に強く思うのは、労働者の価値観の変化かなと思います。

いわゆる雇用の流動化ってやつですね。

1980年代「デューダする」とか「とらばーゆ」とか。転職に高いハードルがなくなってきた時代ですね。

 

長嶋:

確かに。CMの話で思い返してみると、その前には「24時間戦えますか」ってありましたよね。三共のregainのCMですね。

もしかするとその時代は、社会や会社ではなく、従業員側に「24時間働かなきゃいけない」という価値観があったのかもしれません。

仰る通り、従業員側の価値観の変化なのかもしれない。

 

辰巳:

昔は、今ほど働くことを主体的に選べる時代でもなかったと思うんです。

学校をでたら必ず就職しないといけなくて、入った会社に忠誠を誓い長く勤めあげて、結果を出さないといけなくて。

上司に気に入られたら昇給・昇進があってという。人生ゲームハイアンドローってありましたよね(笑)

 

長嶋:

一般社員から始まって、係長、課長部長、社長になったらゴールと。

あれは、まさに高度経済成長の象徴かなと。

 

辰巳:

それと健康被害とセットだったと思います。

上司あるいは人間関係の問題に押しつぶされて、体調が悪くなったり、過重労働でぶっ倒れちゃったり。

あるいは明日会社行くのが嫌で、電車に飛び込んじゃうという事件も多くあったと思います。

いつしか「働かされてること」に気づいた人が出てきたんだと思うんですよ。

健康を害してまで、会社に尽くさないといけない人生なのかと。

 

そこから会社の責任が問われるようになったのは、アメリカの経営モデルとかマネジメントの影響が大きいと思います。

1990年代にアメリカ型経営というブームがあったんですよ。成果主義とか。

労働基準法を強く改正していくことで、その社会を形成していった過去があると思いますね。

なので多分、従業員の訴えが作ったものなのかなと。

 

長嶋:

そこで健康診断の形も、変わってきていると。

アメリカの影響というグローバルな視点で考えると、国の方も、並行して動いてきたということでしょうね。

ただ労働者は自分で健康診断を用意できないので、会社が用意して、そこで受ける。

従業員側の価値観は変化しても、健康診断自体は、会社から言われたから受けているし、義務的というか。

 

辰巳:

まだこの時点で、変化は出てこないんでしょうね。

高度経済成長のときって、子どもさんが多くて、新卒もドバっと出てきて、みんな健康が前提だったと思うんですよ。

近年は健康という前提が、やや崩れ始めてるなと。

団塊の世代が60代になり大量の定年退職が、様々な問題を引き起こすと言われた2007年問題。

この辺あたりから一気に加速した気がします。

労働者層の平均年齢がぐっと上がってきて、少子化によって、健康にリスクを抱えた人口が増えたことは、加速した理由になるのかと。

 

長嶋:

医療従事者側からの視点でいくと、この健康診断を担っているのは医者や看護師です。

今の話の通り、健康に対する考え方が変わっているものの、医療は病気に対してアプローチするので、現在もその傾向があります。

自身も含めて、予防と病気となると、やっぱりどうしても病気の方が強くなってしまいます。

医療従事者として、健康という言葉は口にはしているものの、実際にその大切さを実感することが、なかなか普段ないんですよね。

 

辰巳:

昔は「多分大丈夫でしょ」っていう健康診断だったと思うんです。

今もその健康診断もあると思いますが「大丈夫かもしれない」に変わりつつあるのかなと。

つまり会社にいわれたから受けている受診者もいれば、「僕にはAとBとCがあるかもしれないけど、なきゃいいな」と思って受けている人も確実に増えているなと思いますね。

これは病気でも同じことが言えるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

長嶋:

確かに昔に比べると、病気の手前の段階で相談してくることが、増えてきてるんじゃないかと思いますね。

もちろん能力の高い医療者は違うかもしれないですけど、大多数は患者に気づかされているということが、あるかもしれません。

「病」か「未病」かという話でいくと、境目がなくなりつつある印象ですね。

 

辰巳:

その背景にあるのは、やっぱりインターネットだと思うんです。

昔は先生のところに行けば何らかの答えが出たものを、調べれば何でも載ってますもんね。

薬の名前から飲み合わせまで。健康リテラシーは、インターネットによって底上げされてきたと思いますね。

 

長嶋:

間違いないですね。医者も看護師も対応する前に調べることがありますし、濃淡はありますけど正確な情報も多くあります。

情報によって、世の中の健康維持に対する考え方が変わってきたということでしょうね。

 

辰巳:

そこにきて、日本は高齢化が進み、ライフスタイルがどんどん変わってきているという。

ストレスを抱える社会に、健康を害する要素も多くて、「病気かもしれない」という期間は長くなっているんじゃないかと。

いわゆるハラスメントもそうですし。

当院ですと高齢者に特化した病院なので、家族さんが来られるんですが、当然病気の家族を支えるわけですから、相当なストレスを抱えていらっしゃると思います。

 

長嶋:

そうですね。今は高齢者自身もかなり多様なので、ますます健康に対する意識っていうのは、変わってきてますよね。

高齢の方は迷惑かけてはいけない、倒れるわけにいかないとか、これ以上悪くなるわけにいかないとか、危機感みたいなものが、高齢の方の健康リテラシーを高めてるのかなと。

 

辰巳:

まとめますと、健康状態の把握の在り方、その健康診断も含めて、すごく変わったなっというのがここ何十年。

その背景として、「雇用の流動化」これ大きいと思うんですよね。

会社の責任が増していて、同時に個人の自己責任の範囲も広がってると思うんですよ。

ずっとそこにいるわけではないので、会社のリスクが小さくなっている。

だけど法律がガチガチなので、どれだけ短い期間であろうが、会社側の責任はあります。

ただ働き方が多様化しているので、自己責任でいなければならないという具合ですね。

 

さてここからは、当院の事業継続にフォーカスしてお話していけたらと思います。

 

以前の事業継続というのは、災害とかテロとか、結構派手なものが多かったんですね。

この感染症が事業継続の対応に入ったのは、コロナによる影響で、ここ2~3年の話です。

 

環境が一変しましたね。私はライフケア事業部の担当役員もやってますけど、「濃厚接触者になってしまい、出勤ができません」

「今日は何人休みます。人が足りません」ってありましたね。

口にこそ出さなさなかったですけど、これ医療崩壊だよな。と思いましたね。

 

長嶋:

今日の話も含め、私は医者として、医療の責任者としての私と、もう一つは経営の一端を担っている。

幹部の1人として、両方の側面で臨まなきゃいけない。

そういうつもりで来てるんですけど、やっぱり医療人としてのスイッチが入ってる時間がやっぱり長いんですよね。コロナのときですら。

瞬間最大風速、瞬間人数というか、50名くらい欠勤したときがあったんですよね。

クラスターのときでさえ、医療崩壊という、その感覚はなくて。

改めて突き付けられると、正直今だから言える話ではありますが「確かにそうだったと。よく持ちこたえてくれた」と思いますね。

 

辰巳:

僕もこのワード今だから言えるなと。もしも、現場で医療崩壊というワードが出たときの、パニックは怖かったんで。

当時は「そうかそうか、悪いな。ありがとう。よろしく。」みたいなことしか言えなくて。

ただ皆が必死こいて乗り切ってくれたおかげもあって、自己管理あるいは自己防衛の意識がすごく高まったなと。

ライフケアでいうと、とにかく「健康管理」ってワードがずっと走っていたので、周囲に迷惑かけたくない一心で、自分の生活に制限かけたり、日頃やってた何かを自粛するであったり、すごく頑張ってくれたと思いますね。

 

長嶋:

コロナ禍に入って、当初、診療部の責任者としては、目の前の患者に手一杯状態で。

バックオフィス含め「どうしたらいいか」って質問があがっていて、各上長が答えて、私も入ってたんですけど、それに困った感覚はあんまりなくて。

なぜかというと、意識が目の前の患者に集中してるんですよね。前半はそんな調子だったんですよ。

後半は、割と全体を見渡せるようになって、ふと後ろを振り返ったときに、あまり私に聞いてくることがないなと。

当然、医師や看護師は知識がありますから、ある程度教科書的なことを知ってるわけです。

ただバックオフィス含めた皆さんは、医学に精通してるっていうわけじゃない。

ドンと来てもおかしくないんですが、全く来なくなってきた。

自分で勉強もしてるでしょうし、学んできてる。間違いなく自立できてるというでことでしょうね。

 

辰巳:

間違いないですね。国全体でみても、過去は一般の方が手指消毒なんて誰も言ってなかった。

今は定着してると思うんで、コロナ云々というよりは、手に菌がついていると様々なことを引き起こすんだと間違いなく、覚えたはずなんですよね。

国民的に、健康とか衛生に対するリテラシーが上がっている。

 

次回の「健康診断の企業の健康支援」にも繋がりますが、この「事業継続と健康経営」というワードですね。

当院のコロナ禍の話からも分かるように、やっぱり事業継続のために従業員の健康を維持せねばならない。

というのも近年の事業継続は、自己責任の範疇のみならず、もし健康を害したときに会社としてやっておかなければならないことを、プログラムされたものだと思うんです。

 

では次回はいよいよ「健康診断」に焦点を絞って、医療の観点からお話を聞かしてもらえればと思います。


以上、役員対談『超高齢社会における健康診断と健康管理の重要性について』の前半をお届けしました。

初めての超大作になりました💦いかがでしたでしょうか。

 

日々の仕事は、目の前のご利用者様やご家族の役に立っている実感が大きかったのですが、こうして歴史から社会変化を知り、私達の病院事業が社会に求められているのだということを強く感じました。

その事業継続には「健康経営」には、職員ひとりひとりの意識がつくりあげるという側面もあるのではないかと💡

未経験で入職した自身は、まだまだリテラシーを高めていかなくてはならないぞ!と、気合が入りました!

 

さてさて、健診特集はまだまだ続く!お見逃しなく☝

 

 

健診課特集~役員対談『超高齢社会における健康診断と健康管理の重要性について』~

後半はこちら!続きが気になった方は是非お見逃しなく☝

 

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